私は職務上、
債務者に対し、金銭を請求する業務を行ったりします。
請求しても「払えない」という債務者はたくさんいます。
お金が無いアピールをしてくる債務者はたくさんいます。
そういう債務者のほとんどが闇金ウシジマくんに登場してくる債務者たちのように、
お金が無いと訴えながら、贅沢をしたり、陰でこそこそパチンコに行くなど、
お金の使い方を間違えている債務者がほとんどです。
ですが今日お会いした債務者(年配女性)は一味違う人でした。
この年配女性は過去に自己破産した経歴の持ち主なのですが、
亡き夫は働かない人だったのでずっと苦労してきた女性です。
子供を三人抱え、
一人は障害をもつ子。
今は障害をもつ子とご年配女性との二人暮らし。
住んでいる家は、木造平屋。
木部は腐ったり木炭化してたり、雨漏りしまくり、
いまにも崩れそうないわゆるボロ家。
朽廃の一歩手前のような家です。
身の上話を聞いていたのですが、
正直なところ、
今回ばかりは気分が落ち込みました。
お金の無い人などいくらでも接してきているので僕は慣れているのですが、
今回は別格でした。
世の中には、このように苦しんで生活している人がたくさんいるのだ。
しかしだからと言って、
請求するものは請求しなければならない。
職務上、心を鬼にしなければならない。
それが、死神と呼ばれる所以なのだ。