京都に程近い、滋賀県は琵琶湖の西側にそびえる山。
ロープウェーの貼り紙。
「クマ、イノシシ、サル、シカなどが出没しますので、十分にご注意ください」の文字。
高野山を女性と例えると、
ここ比叡山はまさに男性的だ。というか、野性的。
山中のシャトルバスは平日は一時間に一本しかなく、
もう4月で春だけど、まだ肌寒いしクマはまだ冬眠中だよな、
なんてことを思いながら、
クマが出没する恐れのある山道をトレッキングでまわる。
ここは高名な僧たちが育った、修行の山だ。
法然が得度された地、とかかれた石碑が建ってたりする。
比叡山にまつわる事柄の一つを紹介しよう。
伝教大師最澄の御廟(浄土院)があり、この聖域を守る僧侶を「待眞」という。
「待眞」は昼夜を分かたず、厳しい戒律のもとに身心を清浄にして、
生身の大師に仕えるように、今も霊前のお給仕に明け暮れる。
早暁より薄暮まで勤行と掃除勉学修行に励んで、
「十二年間」山を降りない籠山修行の内規に則って、生活する。。。
「十二年間」ですよ、「十二年間」。ハンパない。
他、千日回峰行とかがあるので、詳しくはググってみて下さい。
比叡山延暦寺は大きく分けて、「東塔」「西塔」「横川」とあるのだが、
一番山深い「横川」には、時間的に訪れることができなかった。
東塔→西塔とまわり、西塔から横川へは山道を歩いて約2時間。
行けないこともなかったのだが、到着する頃には15時30分の終バスがでててしまいそうな
ぎりぎりの時間で、もし終バスを逃してしまうと下山することができなくなり、
山で一晩野宿することになる。山をなめていると危険なため、断念。
とても残念だが、これもまた「また訪れる楽しみができた」と自分を納得させ、
下山した。
京都に戻る道中、バスに乗っていたのだが、「銀閣寺前」と表示されたバス停があることを知り、
法隆寺の全体感の美しさも私の感性を揺さぶったが、
ここ、銀閣の庭園も、私の美的センスを激しく刺激した、
とても美しい庭園だ。
国宝の東求堂にて特別拝観をやっており、
足利義政の住居に入ることができた。
床板は当時のまま。その神聖さに、鳥肌が立つ。
義政の書斎、日本で最初の四畳半である同仁斎には硯などの小物が飾られているが、
その小物を飾る配置までもが一つ一つ意味があり、いちいち感心させられる。
なんでも、ここ慈照寺は、
能、茶道、華道、庭園、建築、連歌など、東山文化の発祥の地ということで、
なるほど、義政の美的センスが現代人である私の心を揺さぶったんだと思うと、
また鳥肌が立つのであった。