奪われた楽しみ。
奪われた掛け替えのない時間。
奪われた信用。
いろいろと奪われまくった際、
30代前半の僕だったら怒り狂い、
罵声を浴びせていただろう。
それがどうだろう。
30代後半となった僕は、
許せる心を手に入れた。
事実を認める力がついた。
怒っても何も良いことが無いと知った。
何が無駄な行為なのか、知ることができた。
僕は日々、十善戒を意識して生活している。
聖人になりたいからではない。
ただただ、心穏やかに過ごしたいだけだ。
十善戒のような呪文のようなものは実に使い勝手が良い。
心の平穏を脅かされた時、
呪文のように心の中で繰り返し唱えるだけ。
繰り返し唱えることにより、
感情に一拍置くことができ、
その間に、自分の心を俯瞰的に眺めることができる。
一拍置くことにより、周りの人たちへの心の中に潜りこむ隙もできる。
つまるところ、感情に任せた愚かな行為を抑制してくれる。
結果、感情に任せて獣のように振舞っていては得られることができなかったであろう「利益」を得ることができる。
そう信じている。
まだまだ完璧には使いこなせていないが、
十善戒は全うしていきたい。
《十善戒》
不殺生(ふせっしょう)
むやみに生き物を傷付けない
不偸盗(ふちゅうとう)
盗まない
不邪淫(ふじゃいん)
不倫な関係をしない
不妄語(ふもうご)
嘘をつかない
不綺語(ふきご)
噂など、無意味な話をしない
不悪口(ふあっく)
乱暴な言葉を使わない
不両舌(ふりょうぜつ)
食い違う、筋の通らないことを言わない
不慳貪(ふけんどん)
欲深く貪らない
不瞋恚(ふしんに)
怒らない
不邪見(ふじゃけん)
間違ったものの見方をしない