Observe

お金、モノ、人間の心とカラダ、自分自身、etc. 森羅万象を見つめる俯瞰的「観察日記」です。

通信アイテム

僕のお客様で ある老夫婦がいます

7000万クラスを現金で狙っているお客様です

お会いするのは本日で6回目です



初めて会った日は条件を聞き

あまり時間も無いようだったので

いくつか資料のコピーを渡してそれだけ

改めて探しておくから名前と連絡先・住所を教えてくれと言ったら

教えてくれず

「また来ます 探しておいて下さい」とのこと

僕はしょっちゅう外出しており 売買は僕しかやっていない為

僕がいないときに来られたらキチンとした対応ができないから
かえって迷惑かけてしまうから連絡先を教えてくれ

と言ってもそれでも教えてくれない

「その時は自分が教えないでいるんだからしょうがないよ」とのこと

当初からいろいろとヒアリングしていたわけだが

今どのあたりに住んでいるかなんてのも一切教えてくれませんでした

経験上 こようなお客様は約束を守ってくれないお客様の方が多い

だから僕は放置していました



2回目(僕は会ってない)

僕が外出中に来店された

偶然にも普段うちの店にはいない専務がたまたま来ている時で

対応してくれた

専務は1件資料を渡してくれたがやっぱり名前と連絡先は教えて
くれなかったとのこと



3回目

またまた突然いらっしゃいました

このときは自分で対応できました

初回と2回目に渡した物件の中で

「明日3件程見たい」とのこと

僕は明日の予定を確認するために手帳を手にとり

時間を設定したところで

この手帳に時間書き込むけど名前も書き込みたいと言ったら

「じゃぁ」と渋々

「お兄さんかわいそうだから教えてあげる ○○です」

名前ゲット



4回目

時間通りに来店され 3件ご案内

うち1件 そこそこ気に入ってました

その物件に関していくつか質問事項があったが

その日には調べる事ができない内容だったので

調べておくと伝えたところ

「また明日店に行くからその時教えて下さい」と言われたので

確認がとれたらすぐに伝えたいけど連絡先はまだ教えてくれない?

と言ったら

「まだ教えない」

とのこと

じゃぁ 僕がいなくてもわかるようにメモを置いておくと伝えお別れ



その次の日はこなかった



5回目

もうこないかなぁと思いながら事務所で弁当を食べていたら

いらっしゃいました

でもこの段階では確認先がGW休暇中でまだ調べることができないでいたので

そのことを伝え再度他の物件探し

だが良い物件はでていない

それを伝えると

気になっている「あの物件はいつでも見ることできるの?」と聞かれ

見れるけど僕がいないと見れないよと伝えたら

「あなたいつも忙しそうだし見るのは2回目だからあなたじゃなくても不安じゃないよ」

と言われ

次にいつ来てくれるか未定のままお別れ



6回目

あと2時間後に大事な会議を控えているときに突然

いらっしゃいました

あの気になっている物件をもう一度見たいと…

時間的にカツカツだったが

「決断する前に娘に写真だけでも見せたい」

とのことだったので

時間がカツカツながら一緒に写真を撮りに行きました

調べごとも確認がとれたのでついでに伝えました

デジカメで撮ったのでこの写真はどこに送ればよい?と聞いても

相変わらず本人の連絡先は教えてくれず…

しょうがないので娘さんがパソコン持ってたらそこにメールするから

気が向いたらアドレス教えて下さいね

と言ったところ

「お兄さん(僕の事)は優しいねぇ あなたは正直者だから
 そういう人から買いたい 人生最後の不動産購入だしね
 買うときはお兄さんから買いたい」

と言って下さりました

嬉しかったですが過去このように言ってくださるかたは何人かいましたが

ホントに買ってくれたかたはほんのわずかです

だから僕はドライに考えます

でも全力で頑張ります

結局この日は娘さんのアドレスを教えてくれる連絡を待つということでお別れ



そして今日 火曜日

昼頃突然いらっしゃいまして

明日娘が東京に来るから(遠いところに住んでいるがどこなのかは教えてくれない)

あの物件を娘にも見せたいとのこと

前に水曜日は定休日だって言ったじゃない!!

と伝えたところ

定休日を忘れていたみたいで婆さまはとてもしょんぼりしていたので

木曜日は娘さん帰っちゃうの?と聞いたら

帰っちゃうとのことだったので

じゃぁ 休みだけどご案内しますよ!!

と ついつい言ってしまいました……



ということで明日も仕事になりました

う〜ん 女房と出かける予定だったので果たして理解してくれるだろうか… 




長いこと書いてしまいましたが

結局僕が言いたいことは

こんなことを思ったからです


この婆さまと爺さまが僕に連絡先を教えない理由…


・こいつは約束を守る人間か? を試している
・こいつは仕事をキチンとこなす人間か? を試している
・こいつは店長という肩書きからはそこそこ信頼できるが
 こいつ以外のこの会社の人間はちゃんと教育できてるか?
 すなわちこの会社は信頼できるか? を試している


のではないだろうか…

これは僕の妄想なわけだがホントにこう思っているとしたら

「連絡先を教えない」

という行為は

「相手の人間性や信頼度を確かめるのに良い手段」なのでは?と感じたのである


確かに「通信アイテム」があるが故に


時間をずらしやすくなったのかも知れない
約束を破りやすくなったのかも知れない
遅刻しやすくなったのかも知れない
「今度ね」と言いやすくなったのかも知れない


通信アイテムが無いんだと考えそして行動すると

いまより慎重に その瞬間瞬間をジャッジできるようになるかも知れない
その場で約束するようになるかも知れない
人と人との絆が自然と深まるのかも知れない

そう痛感したわけです



人生最後の物件探しを依頼された以上僕は頑張ります

でもこの婆さま爺さまは僕から買ってくれないかも知れない

ただこのことを気づかせてくれた

それが僕にとっての利益になったといっても過言ではない