本日のお客様からのご相談内容。
それは、「兄弟での共有不動産」について。
兄弟の共有、これはとても危険なのです。
今現在は危険でなくとも、
「危険の種」なのです。
資産家一族は昔から賢く資産を継承してきているので、
そもそも「兄弟で共有」という危険な残し方はしないのですが、
そうでないごく一般的なご家庭、
つまり「資産といえばこの家(自宅不動産)しかない」といったご家庭では、
「自分が死んだら、この家は子供たち全員に均等な持分で相続させたい」
といったお考えをされたりします。
勿論、故人のそのお考えは尊重すべきものです。
ですが、はっきりと申し上げますと、
このお考えが、危険なのです。
今回のお客様は、
5人兄弟(弟1人と姉4人)で、持分5分の1ずつ相続しました。
この家には弟家族が居住しており、
4人の姉は嫁いで別のところに住んでいます。
この5人兄弟が「生きている」うちは平和なのです。
問題は、5人の内、誰かが死んだときです。
さて、ここからは想像してみて下さい。
あなたは、この家に住んでいる「弟」だと思って、想像してみて下さい。
あなたの一番上の姉が死にました。
その姉には一人息子がいます。
姉はこの息子に自分の持分を相続させました。
つまりこの不動産の名義は、
・家に住んでいるあなた 持分5分の1
・家に住んでいない姉1の息子(=あなたの甥) 持分5分の1
・家に住んでいない姉2 持分5分の1
・家に住んでいない姉3 持分5分の1
・家に住んでいない姉4 持分5分の1
となります。
この「甥」が血も涙もない曲者だとしましょう。
この曲者の「甥」が、
この家に住んでいる「あなた」に対し、
「俺にも住む権利があるから住まわせてくれ」と要求して来たり、
「住まわせてくれないなら俺の持分を買ってくれ(高額で)」と要求してきたり、
「買ってくれないなら俺の持分だけ不動産業者に売っちゃうよ」とか脅されたら、
あなたはどう思いますか?
甥だけじゃないんですよ。
この曲者である甥の妻がさらなる曲者だったりしたら、、、
考えるだけで怖いですね。
もう一つの例。
50歳のあなたは、「たまには兄弟5人みずいらずで旅行に行こう」と企画しました。
5人兄弟は仲良く、飛行機で旅行に行きました。
しかし運悪く、飛行機が墜落、5人全員死亡。
5~60代のこの5人兄弟は全員、「遺言書」は作成していませんでした。
5人兄弟はそれぞれが結婚しており、それぞれの「配偶者」は生きています。
ここで考えてみて下さい。
5人兄弟はそれぞれ「子供がいなかった」場合、
誰も相続放棄しなければこの不動産は、「血の繋がりの無い配偶者たち5人が共有」することになります。
または、
5人兄弟はそれぞれ子供が一人ずつおり、配偶者は全員他界していた場合、
誰も相続放棄しなければこの不動産は、「子供たち5人(=いとこ同士)が共有」することになります。
想像してみて下さい。
この不動産について管理行為や保存行為や処分行為をしたいとき、
うまく話し合えると思いますか?
処分(売却)の場合は、誰か一人でも反対したら処分できません。
異なる欲がぶつかり合えば、「争い」が生じます。
いわゆる、「相続」ではなく「争う一族の争続」になってしまいます。
人間は欲深い生き物です。
物分かりが良く相続を放棄してくれる人もいれば、
そうでない人もいます。。。
死んだ人は楽なものです。
残された人は、地獄です。
自分たちが仲が良いからと言って、
配偶者たちが仲が良いとは限りません。
子供たちが仲が良いとは限りません。
私の経験上、配偶者が争いの引き金を引くケースが多いです。
兄弟での不動産共有はトラブルの種です。
でも世の中、兄弟で不動産共有しているケースがとても多いのが現状です。
主人公たちが生きているうちに、持分の整理をしておくことをお薦めします。
残された子孫たちに争いの種を残さないこと。
それは子孫たちへの思いやりと言えるでしょう。
どう整理したらよいかわからない場合は、私にご相談下さい。
以上、宣伝でした笑