毎朝、
裏紙に筆ペンで「十善戒」を書くのが私の日課です。
十善戒の内の1つ、「不慳貪」。
「欲深く、貪らない」という意味です。
欲望には2種類あると思います。
「悪い欲望」と「良い欲望」。
悪い欲望の代表例は「犯罪」ではないでしょうか。
泥棒なんかは、1度でやめておけば捕まらなかったのに、
2度も3度もやるから足がついて捕まるとか。
(1度でもやっちゃダメですけど!)
性犯罪は再犯率が高いとか。
(1度でもやっちゃダメですけど!)
これら全て欲望に取りつかれているわけですよね。
欲深く、貪っているわけですよね。
欲望は人間を惑わす、大いなる敵です。
立ち向かってやっつけようとも、強すぎて敵わないこともあるので、
「逃げる」のが正しい道かもしれません。
今1度、再犯率が高いと言われている性犯罪を例に挙げてみます。
欲望を満たすと脳からドーパミン(快楽物質・脳内麻薬)が放出され、
心と肉体は味わった快楽を忘れられず再び快楽を求めるスパイラル。
ことあるたびに悪魔のスイッチが押されてしまい、
快楽に取りつかれた魔物と化す。
魔物と化した人間は、快楽を欲深く、貪る、、、
これが過ちを繰り返す再犯の原因かと思います。
或る意味、体外から摂取する「麻薬・覚せい剤」の中毒よりも、
脳内から自然発生的に放出される脳内麻薬の方がたちが悪いかも知れません。
つまり、
「快楽物質・脳内麻薬」という名の「悪魔」が、
人間を支配してしまうわけですよね。
この「悪魔」は強すぎて、闘ってもすぐ負けてしまうわけです。
だから逃げるんです。
1度味わってしまった悪い快楽から逃げるためには、
別の楽しみ(健全な趣味)を見つけるなどして、
「快楽物質・脳内麻薬」を放出するスイッチを変えるしかないと思います。
この悪魔から完全に逃げ切れた人のことを
「悟りを開いた人」
と呼ぶそうで、
悟りと聞くとなんだか宗教的な異次元の世界の話のように思いがちですが、
「快楽物質・脳内麻薬」の話は宗教ではなく科学的な話です。
犯罪という極端な例以外にも日々の生活の中では様々な欲望が渦巻いているわけで、
身近に存在するあまり宜しくない欲望から逃げる修業(=科学的な実験)、
そういった科学的な修業に取り組むことは、大切なことかと思います。
反面、
「身近な人に思いやりを注ぎたい」などといった「良い欲望」は、
大いに抱いて結構なことかと思います。
私は明日で40歳になります。
30代の最後の日を迎えた本日、
そんなことを思ったのであります。