和倉温泉にて、朝5時に目が覚めた。
天気も良く、清清しい朝だった。
しばらくまどろんでいると、iPhoneが私を呼ぶ。
ダイヤログにて地震の文字が目に飛び込む。
テレビのスイッチを入れ、ニュースをみると、
淡路島にて発生した大規模地震が報道されていた。
深刻な被害も出たとのことで、関西地区の交通機関も麻痺しているという。
一刻も早く地震が立ち去り、
自分は何もできないが、一刻も早く復旧することを願う朝だった。
兎にも角にも、前日に予定した通り、金沢の兼六園へ。
ここでは生まれて初めて「お茶」というものを体験してみた。
と言っても、私は出されたお茶を飲む専門。
美しい庭園を眺め、趣深い茶室で抹茶を一服すると、
心の乱れも調子を整えるような、そんな思いがした。
と思いながらも、そのお茶の席には興味本位でキャッキャしている外人ばかり。
あぁ、自分もこの外人たちと変わらない。もっと日本人らしく、
こういったお茶の席もスマートに振舞える人間になりたいなと、思うのだった。
その後は、加賀百万石、前田利家とマツを御祭神とする、尾山神社を参拝。
その後は茶室ならぬ喫茶店に入り、この旅、今後をどうするか、一人作戦会議。
当初の予定は、この後すぐ、鳥取へ行く予定だが、
鳥取へ行くには、一度大阪へ出ないと行けない。
現在、大阪は地震の影響で交通機関が麻痺し、
駅はパニック状態に陥っている。
さて、どうしよう。
余震は続いているそうだ。また大規模な地震が発生する恐れもある。
隣の福井と富山に何泊かし、もう旅を終えようか、
はたまた予定通り西側へ行き旅を続けるか、、、
山の天気と同じく、地震など、天災をなめてかかるのは危険である。
しかしこんなセリフが頭によぎる。
「じゃぁ、いつ行くの? いまでしょ?」
と。
喫茶店をあとにし、金沢駅へ。
案の定、大阪方面の電車は予定通りの運行はされておらず、、、
? 予定通りではないということは、ストップはしていないということか。
駅員に聞き、確実ではないが、夕方のダイアから復旧の見通しだと聞き、
決心し、今夜の宿を予約。
金沢から米原、京都、新神戸、岡山を経由し、今夜の宿、鳥取県へ。
道中、岡山と鳥取間の山陽本線では、列車が鹿と接触して緊急停止事件もあった。
引き続き、寺や神社を訪れた際には、世界中の心が穏やかで、幸せになりますよう、願いながら、
旅を続けることにした。
鳥取駅に着いたのは、23時だった。
宿は鳥取駅から歩いて10分のところにあり、
テクテク歩いていると、
「マッサージ 全身60分コース 2,980円」の看板が目に飛び込む。
東京では考えられない金額だ。
思えば旅も2週間くらい続けていて、今日の電車の旅も長く、身体も疲れ気味で、
思わず吸い込まれる。
料金はこれがこのあたりの相場なのか?と聞いたところ、
相場よりも少し安いとのことで、
マッサージの腕は大丈夫なのか?と少々疑問を抱きながら横になると、
これはこれは大変お上手で、
あぁ、旅を続けて正解だったと、
この時点ですぐにそう思うのであった。